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私ではなくキリストⅢ(東洋からの風の便りII)

「私たちの古い人がキリストとともに十字架につけられたのは、罪のからだが滅びて、私たちがもはやこれからは罪の奴隷でなくなるためであることを、私たちは知っています。」(ローマ6:6)

火事場泥棒と国家的詐欺――減収世帯への現金給付30万円支給をドタキャンして国民一律10万円支給にすり替えるという詐欺――

~政府主導の詐欺!? 減収世帯への現金30万円支給案が、救済を必要としていない人々のために流用されて消える?~

1.今年4月に安倍首相自らが打ち出した「減収世帯への現金30万円の給付」案

2.補正予算案が通される直前に、公明党の山口氏の「鶴の一声」で、支給対象がすり替えられ、減収世帯が見捨てられるという暴挙

3.火事場泥棒に、国家主導の詐欺!? 貧しい人々が見捨てられ、助けを必要としていない人に利益が分配され、予算の目的が、途中ですり替えられることの恐ろしさ

4.いきなり梯子を外された国民と総務省

5.火事場泥棒、国家的詐欺を許してはならない



長らく政府批判の記事を書いていなかった当ブログだが、さすがにこれはまずいだろうと憤慨し、我が国の亡国を思う出来事に遭遇したので、書いておきたい。
 
コロナ禍を巡って、あまりにもひどい政策の二転三転が続いているのだ。

今、貧しいマイノリティの国民が、貧しくもなければ、助けを必要ともしていない、マジョリティの利益のために、犠牲にされようとしている。国民への一律10万円給付という美しい名目の下、減収世帯への30万円給付が消し去られようとしているのだ。しかも、補正予算案の成立の直前になって、一人の政治家の執拗な要求により――。こんな前代未聞の暴挙を糾弾しないことがどうしてできようか。

政府による現金給付案の恐ろしい方向転換である。




1.今年4月に安倍首相自らが打ち出した「減収世帯への現金30万円の給付」案

安倍首相は今年4月3日にコロナウィルスのために、所得減となった世帯に対し、現金30万円を支給するとの発表を行った。誰が要求したわけでもなく、首相自らがこれを打ち出したのだ。

このニュースを聞いたとき、筆者はおや、と思った。安倍には珍しい大盤振る舞いだなと感じたからだ。当初から、世間では、国民一律に10万円を支給するべきなどの案が飛び交っていたが、30万円と大風呂敷が広げられたのは、コロナ禍が支持率低下につながることを恐れた政治的な受け狙いもあったに違いないが、それにしても、随分、強気に出たものだと感じた。

このニュースは各種の報道機関をその日中に駆け巡った。

JIJI.COM から引用しておこう。
 

現金給付、1世帯30万円 自己申告制―自治体に1兆円交付・新型コロナで経済対策

麻生財務相との面会後、記者団の質問に答える自民党の岸田文雄政調会長(左から2人目)=3日午後、財務省

麻生財務相との面会後、記者団の質問に答える自民党の岸田文雄政調会長(左から2人目)=3日午後、財務省

 政府・与党は3日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策の柱となる現金給付について、所得の減少を条件に1世帯当たり30万円を支給することを決めた。対象者が市区町村の窓口などに申請する自己申告制とし、申請時に所得が減少したことを示す資料の提出を求める。支給金は非課税とする。また、全国の地方自治体に計1兆円を配る臨時交付金の創設も対策に盛り込む。

現金給付、具体性欠く 安倍首相に気兼ねか、金額・対象「政府一任」―自民提言


 政府は、7日にも緊急経済対策を決定する。対策全体の事業規模に関しては今週末にかけ調整が進められる見通しだ。
 自民党の岸田文雄政調会長は3日、安倍晋三首相、麻生太郎財務相と相次ぎ会談。岸田氏は首相との会談後、現金給付について記者団に「一定の水準まで所得が減少した世帯」が対象になると明らかにした。政府は今後、所得減少の程度や所得上限など対象世帯の線引きを含めた制度の詳細決定を急ぐ。

 自己申告制とする理由について、政府関係者は「一人ひとりの所得を把握するのは難しい」と説明。政府は特例を設け、支給金を非課税とする予定だ。リーマン・ショック後の2009年、「定額給付金」として国民に1人当たり1万2000円(若年者と高齢者は2万円)を配布した際にも同様の措置を講じた。

 現金給付をめぐっては当初、全国民に一律支給する案が浮上。政府・与党は所得減世帯に20万円を支給する方向で検討したが、国民生活への影響を懸念する安倍、岸田両氏の政治判断で最終的に金額を上積みすることで決着した。菅義偉官房長官は3日の記者会見で「生活に困難を来す恐れのある家庭を対象にし、生計維持に必要な給付水準を検討した」と述べた。

 岸田氏は麻生氏との会談で、自民党の提言を踏まえ、都道府県と市町村への臨時交付金の創設を要請した。岸田氏は会談後、「1兆円で調整するという答えを頂いた」と語った。両氏は交付金の使途について自治体の判断に委ね、限定しないことを確認した。


Bloombergでは、現金30万円給付は、臨時交付金1兆円を財源として支出するとある。
 

減収世帯に30万円給付を首相了承、臨時交付金1兆円で調整-岸田氏

占部絵美、野原良明、竹生悠子

2020年4月3日 16:18 JST  更新日時  2020年4月3日 18:24 JST

自民党の岸田文雄政調会長は3日、来週発表予定の新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急経済対策で、所得が減少した世帯への現金給付を1世帯30万円にすることを安倍晋三首相に提案し、了承を得たと明らかにした。安倍首相、麻生太郎副総理兼財務相と相次ぎ会談後、記者団に語った。

  岸田氏は現金給付について、「先ほど総理との間で1世帯30万円を強く申し入れ、最終的に総理からご了解いただいた」と語った。給付額は1世帯当たり平均2.27人を「念頭に置いた」とし、支給対象や支給総額については、「週末にかけて引き続き調整する」と説明した。 


  地方から強い要望が寄せられている臨時交付金を巡っては、麻生財務相との間で議論となったと説明。「対策を進めていく上で、地方にもしっかり協力してもらうことが大変重要」と、麻生氏に政治決断を強く求めた結果、1兆円で調整することで了解を得たという。交付金の使途については、リーマンショック時と同様、地方がそれぞれ判断できると述べた。

   全国知事会、全国市長会、全国町村会の3団体は、新型コロナウイルスへの対応を国と連携・協力すべく、自由度が高く、地方負担を軽減するため、柔軟な交付金制度を創設することを要望。特に全国知事会は、緊急経済対策のうち地方税減免など地方が負担する部分の財源について、交付金での全額補てんを求めていた。

 臨時の税制改正案承認

  一方、自民党税制調査会は3日に開いた総会で、緊急経済対策案に金融財政・税制政策として盛り込む臨時の税制改正案を承認した。甘利明会長が総会後、記者団に明らかにした。

   甘利会長は今後の経済対策の財源は増税で確保することはあり得ないと指摘、与野党から要望の上がっていた消費税減税については「軽々にいじるつもりはない」と述べた上で、経済対策の財源として「赤字国債発行し、財政再建の一時据え置きはやむを得ない」との見解を示した。

  また、会合では納税猶予拡大の案も出たとした上で、固定資産税を浸食するには大義が必要だとの消極的姿勢を示した。

 (第5段落以降に自民税調の税制改正案追加し、更新しました)


4月4日の中日新聞の記事では、政府は当初、世帯当たり20万円の支給を検討していたが、これを30万円に引き上げたとある。

当然ながら、この現金給付の対象とならない人々からは、この策には当初から根強い批判があった。一律給付にせよとの声も高かった。

だが、それでも、政府は、リーマンショック時を振り返り、困窮しておらず、支援を必要ともしていない国民にまで、一律に現金を配ることは、得策でなく、効果が薄いとの考えに立って、あくまで減収世帯への現金給付案を推し進めたのである。

支給対象となる枠組みも徐々に具体化され、申請方法や、いつ実現するのかも見通しが立った。
 

現金給付、減収世帯に現金30万円で政府合意 1000万世帯、5月にも

 写真安倍晋三首相と自民党の岸田文雄政調会長は三日、官邸で会談し、新型コロナウイルス感染拡大で収入が落ち込んだ世帯への現金給付について、支給額を一世帯三十万円とする方針で合意した。政府は一世帯二十万円とする方針だったが、思い切った支援が必要との首相判断で急きょ上積みが決まった。年収による所得制限は設けないが、減った後の月収が一定水準を上回る世帯は除外する方向で検討している。全五千八百万世帯のうち約一千万世帯が対象となる見通しだ。

 政府、与党は三日、コロナ対応で地方自治体がさまざまな用途に使える一兆円規模の臨時交付金を創設する方針も決めた。旅行代金の半額補助などに一兆円超を充てる観光支援策も固めた。

 これらの措置を七日にもまとめる経済対策に盛り込み、二〇二〇年度補正予算案を編成する。月内に成立させる方針で、現金給付は五月中の開始を目指す。

 菅義偉官房長官は三日午後の記者会見で、三十万円としたことを「生活に困難を来す恐れのある家庭を対象に、生計維持のための給付水準を検討した」と説明した。ただ一人暮らしと子だくさんの世帯が同額になることなどへの明確な説明はなく、今後議論を呼びそうだ。

 岸田氏は首相との会談後、記者団に対して「一定の水準まで所得が減少した世帯に、一世帯三十万円支給するべきであると申し上げた。総理と認識が一致した」と説明した。

 現金給付による収入は非課税とする。給付の条件とする減収幅など詰めの調整を急ぐ。給付を受けるには市区町村に申請する必要があり、所得が減ったことを示す書類の提示が条件となる。

 世界的な金融危機のリーマン・ショック後には、全国民に一人当たり一万二千円の「定額給付金」を配布した。一律給付は支援の必要がない裕福な人にもお金が配られ、多くが貯金に回るなど効果が限定的だったとの指摘があり、対象を絞ることとした。


なぜ世帯主の収入だけを基準とするのかという批判も存在したが、麻生太郎氏は、今月半ばにも、スピード感を持って給付に及ぶためには、この案が最適であるとの考えを示していた。

TBSニュース

─15日0時21分─0分58秒

麻生大臣、個別の現金給付は「スピード間に合わない」」


 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入が減った世帯への30万円の現金給付をめぐって、麻生財務大臣は世帯主以外の収入が減少した世帯にも給付できるよう給付対象を広げることについて、慎重な考えを示しました。

 政府は経済対策の柱となっている30万円の現金給付をめぐって、世帯主以外の収入が減少した世帯にも給付できるよう対象を広げる検討を進めていますが、これについて麻生財務大臣は次のように述べました。

  「スピードを大事にされるんだったら、世帯主をやらないと、奥さんの稼ぎの方が旦那の稼ぎより大きいという家もあるんじゃないの。個別にやり始めたらスピードは間に合いませんよ」(麻生太郎財務相)

  麻生大臣は、「自治体が個別に調べないといけないので、手間がかかる」として、給付対象の拡大には慎重な考えを示しました。そのうえで、「色々な要素を入れて制度を作り上げるには、ものすごく時間がかかる」と制度設計の難しさを強調しました。




2.補正予算案が通される直前になって、公明党の山口氏の「鶴の一声」で、支給対象がすり替えられ、減収世帯が見捨てられるという暴挙

ところが、まさに補正予算が通される直前の土壇場になって、公明党の山口なつお代表が安倍首相に強く働きかけて、国民一人当たり一律10万円を支給させる代わりに、減収世帯への30万円給付案を撤回させようと説得したというのだ。

4月15日の夜から4月16日にかけて、公明党の山口代表は、安倍首相に対し、繰り返し、減収世帯に対する現金30万円の給付をやめるよう強く反対の意向を示し、国民一律に10万円を給付するよう働きかけた。

TBSニュース「「現金10万円」支給 結論先送り、自公 異例の長時間協議

 新型コロナウイルス対策として国民1人当たりに「現金10万円」を支給する案をめぐり、自民・公明の幹部が異例の長時間協議を行いましたが、結論は先送りとなりました。

 自民・公明の幹事長らは感染拡大を受けた対策として、断続的に4時間にわたり、国民1人当たりに10万円を支給する案をめぐり協議しました。

 これに先立ち、公明党の山口代表は15日、安倍総理と会談。公明党によると、山口氏は、すでに政府がとりまとめた、収入が半減した世帯などに現金30万円を支給する対策ではなく、一律、現金10万円を国民に支給するよう求め、今月下旬にも成立する見通しの補正予算案の組み替えも要請していたということです。

 ただ、15日の協議で自民党側は予算案の組み替えには応じず、現金の一律給付についての結論は先送りとなっています。


 
4月16日の午前中まで、山口氏による安倍首相への強い説得は続いた。もしも山口氏の提案が、減収世帯への現金30万円給付に加えて、国民一律10万円給付をせよというものであったなら、何ら問題はなかったであろう。

だが、山口氏の主張の最悪な点は、すでに補正予算案が組まれている減収世帯への現金30万円の給付を撤回する代わりに、その予算を国民への一律10万円の支給い回せという滅茶苦茶な提案だった点だ。

政府は当初、これに抵抗を見せており、減収世帯への30万円給付案の補正予算を通した後で、改めて国民一律10万円給付案を検討する予定だったが、それでは一律お給付が遅れるという山口氏の執拗な説得に押し切られた形で、4月16日の夕方には、こんな報道が並んだ。
 
 

日本経済新聞
1人あたり一律10万円支給へ 減収世帯30万円取り下げ 

政府・与党

新型コロナ 政治 2020/4/16 19:15 (2020/4/16 19:31更新)

政府・与党は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国民1人あたり10万円を給付することを決めた。所得制限は設けない。緊急経済対策を盛った2020年度補正予算案を組み替える。減収世帯に30万円を支給する措置は取り下げる方向だ。27日にも国会に提出し早期成立をめざす。

公明党が一律10万円を給付する案を主張していた。安倍晋三首相は16日、電話で同党の山口那津男代表に受け入れる考えを伝えた。

これに先立ち、首相官邸で麻生太郎財務相や自民党の二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長らと協議した。補正予算案の組み替えや国会の調整を指示した。

政府は7日に20年度補正予算案を閣議決定し、20日にも国会に提出する予定だった。予算案を国会提出前に大幅に組み替える異例の対応となる。

与党内で減収世帯に30万円を給付する案について、制度の複雑さや対象が限定され不公平だとの批判が出ていた。

政府・自民党で30万円給付策を含む補正予算案の成立後、10万円の現金給付を盛った第2次補正予算を編成する案が浮上した。2次補正の編成に時間がかかるため、公明党は一律10万円の措置に集約して財源を回すよう主張していた。

所得制限を設けずに国民全員に一律10万円を支給する場合、単純計算で12兆円超の財源が必要になる。政府は30万円の給付策で約1300万世帯を対象に約4兆円の財源を想定していた。補正予算案で16.8兆円と見込む歳出総額が膨らむ見通しだ。政府は赤字国債の発行増額で財源を賄う。


これを見て、もはやこの国は終わりだと、眩暈がする思いがしたのは、筆者だけではあるまい。前代未聞の事態である。約4兆円だったはずの財源を、いきなり12兆円に膨らませ、足りない分は、赤字国債で賄うなどというのだ。

しかも、もともと国民に一律に10万円を支給するという案は、野党の多くが声高に唱えていただけに、いきなりそのアイディアを奪われた野党の側からも、憤慨の声が噴出しており、一律給付なら、なぜ初めからそうしなかったとの批判の声が相次ぎ、補正予算案成立直前の火事場泥棒のようなこのニュースの発表を、好意的に受け止めている報道記事は、ほとんど見当たらない。



3.火事場泥棒に、国家主導の詐欺!? 貧しい人々が見捨てられ、助けを必要としていない人に利益が分配され、予算の目的が、途中ですり替えられることの恐ろしさ

国民一律10万円支給という話を聞いて、多くの国民は、自分が30万円の支給対象でなかったのに、10万円の支給対象になったから良かったとか、書類手続きが簡略化されたなどと考えて、喜んでいるかも知れない。

だが、これはそんな単純な話ではなく、非常に恐ろしい危険をはらんだ事態なのである。そのことにどれだけ多くの人々が気づいているだろうか。

まず、減収世帯への現金30万円給付という、長い時間をかけて議論されて来た話が、すべて詐欺のように、水泡のごとく消えようとしていることの恐ろしさ。

本当にこの先、30万円支給案が取り下げられるならば、これはまさに政府主導の、国家的詐欺だったと言えるであろう。

しかも、この支援を最も必要としていた減収者、貧困世帯に、自分たちは政府の施策によって助かるという、むなしい嘘の期待をもたせた上で、彼らを冷酷に突き放し、路頭に迷わせるのだから、あまりにもひどい話である。

それが現実になれば、どういう事態となるか――。30万円を受け取ることができれば、家賃を支払え、何とか生活できるはずだった世帯が、いきなり路頭に放り出され、帰省する費用もなく、帰省先もないので、年越し派遣村の何倍もの規模に達するホームレスが生まれる。やがてその一部は暴徒化したり、犯罪者となって、刑務所送りとなり、あるいは、路上生活を送るうちに、不衛生な生活から、コロナに感染し、クラスターが生まれ、爆発的に感染者が増える。

失業者の中には、国民健康保険に入る費用もないため、保険証もなく、病院にかかれない人々がいる。そのため、余計に感染が拡大する。首都圏はもはや崩壊状態である。治安は悪くなるわ、感染は拡大するわ、何も良いことはない。

だが、話はそれだけでは終わらない。予算とは、特定の目的に対してつけられるものであり、困っているAさんを救済するためにもうけられた財布(予算)が、いつの間にか、困ってもいないBさんを救済するための財布にすりかわっていたなどということは、決してあってはならない。

マイノリティを救済するためにもうけられた予算案が、いつの間にか、「マイノリティだけを救済するなんて不公平だ!」というマジョリティの批判の声に押されて、マジョリティの利益のためにかすめ取られたり、減らされたりすることは、あってはならない。

このほど、政府は減収世帯への生活支援を名目に、補正予算案を組んだ。それには約4兆円の財源がかかるという見通しで、補正予算案が提出された。これは、あくまで減収世帯の救済のためにもうけられた「財布」である。減収世帯は、マジョリティではないかも知れないが、それだからこそ、予算も約4兆円の規模になる見通しであった。これは、予算案が成立すれば、減収世帯にいきわたるはずのカネである。

ところが、いざ補正予算案が承認される直前の段階になって、どこかの特定の政党の特定の人間の強い声に押されて、支給対象が全く別のものにすり替えられたのである。

支給対象が「減収世帯」から「国民全体」に代わったから、支給対象も広がり、問題ないではないかなどと言っている場合ではない。一律支給にすれば、全く生活に困ってもおらず、コロナウィルスの被害など何ら受けていない人々にも、金が配られることになる。議員、政治家、大富豪など、10万円など支給されたところで、全くありがたみも感じないし、そんな金をそもそも必要ともしていない人々の手元に、資金が配られる代わりに、あと20万円がなければ、家賃も払えず、路頭に迷うという人々に、金が行き渡らなくなる。

さらに、支給の名目がすり替えられる。当初は、生活が困窮している人々を早急に支援するためであったはずのものが、生活が困窮していない人々も含めた単なる見舞金になる。目的、用途が全くすり替えられてしまうのだ。

保険金の支払いでも、このように名目がすり替えられることはない。傷病手当や休業補償と慰謝料は全く別物である。ところが、政府の給付金については、そうした名目が全く何一つ考慮されずに、支給目的も、支給対象も、従来とは完全に異質なものに、簡単にすり替えられようとしていることの恐ろしさ。
 
 



4.梯子を外された国民と総務省

現在、以下に画像を示す通り、総務省のホームページには、減収世帯への現金30万円支給の制度が周知され、申請方法等が、相当に詳しく解説されている。

これには生活支援給付臨時金(仮称)などという名称までつけられている。

総務省HPには、この制度への申請方法や対象者についてのQ&Aも詳しく記され、問合せが集中してつながらないとはいえ、専用のコールセンターまで開設されていた。

総務省HPには、この制度の目的として、次のように書いてある。

感染症の影響を受け収入が減少し、事態収束も見通せずに日々の生活に困窮している方々に対し、迅速に、手厚い、思い切った支援の手を差し伸べる観点から、休業等により収入が減少し、生活に困っている世帯に対して、生活維持のために臨時の支援を行う.

ここには、収入が減少してもおらず、日々の生活に困窮もしていない人々に、手厚く思い切った支援をするなどとは全く書かれていない。

減収し、生活に困窮している人々のためにもうけられるはずだった予算を、減収もしておらず、生活に困窮してもいない人々に配るために減じ、流用するというなら、それはもはや国家的詐欺と言うべきである。
 



5.火事場泥棒、国家的詐欺を許してはならない

悲しいことに、総務省HPの末尾には、「それ、給付金を装った詐欺かもしれません!」と、詐欺に注意を喚起する文面が並んでいる。

減収世帯への30万円給付案が、水泡に消えるというなら、詐欺は、総務省が、政府自らが行ったのと同じこととなる。どんなに「それは案で、決定ではなかった!」などと叫んでも、ここまでまことしやかに発表した内容を、後になって「やーめた!」「ざーんねんでした!」などと言えるはずもなく、そんな風に国民を無意味に躍らせるような発表を、政府が主導して行ったならば、もはや政府の威信は地に落ちる。

古代ローマ帝国の末期、都市に流入した無産市民たちは、権力者にパンと見世物を要求して譲らなかった。彼らは無産市民とは呼ばれているものの、奴隷ではなく、借金があるわけでもなく、暮らしていくに不自由のない人々だったのである。

今も同じ、マジョリティが声高に「パンをくれ!」と政府に要求する。本当に困っている人々は彼らではないのに、パンとサーカスを求める民衆の声に負けて、政府はメルトダウンして行く。

コロナウィルスが蔓延しているのに、経済を優先して、緊急事態宣言を遅らせ、企業を休業させねばならないのに、休業補償も出さず、通勤者の削減や、外出自粛を求める。その上、生活困窮者を見捨てて、困ってもいない人々が、パンとサーカスを楽しめるよう、現金給付を行う・・・。

この国は、デマゴギーにより、もはや亡国の淵に向かって転げ落ちている、そう感じる他ない出来事であった。

このような火事場泥棒を決して許してはならない。(以下、総務省のホームページ

 
 

 
 
 

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